14歳の中学生、藤井聡太四段が29連勝を遂げ、これまでの将棋界の記録を塗り替えた。昨日のNHKニュース9では30分近くこの話題を伝え、今日の朝日新聞一面は2/3を割いて伝えている。外国のことわざに「世界はヒーローを待っている」というのがあるが、若きスーパースターの登場は人々の心を熱くするものである。
藤井四段が大天才であることは疑いなく、順調に成長していけば、棋史に名を残す大棋士となることはまず間違いない。ただ当然、今は真っ直ぐに勝負に向っている心の姿勢が、成長とともに様々な誘惑や煩悩で迷走を起こし、壁にぶつかることもあるだろう。
今のインタビューなど見るとそんなこともソツなく超えていくようにも見えるが、人生何が起こるかわからない。順調に才能を伸ばして欲しいところだ。有象無象の「ヒイキの引き倒し」に周りの心ある大人たちも十分注意する必要がある。
さて、藤井四段のライバルは誰か?残念ながら今の棋界のオールドスターたちは、いくばくかの抵抗はするだろうが、藤井四段の軍門に降るのは時間の問題である。なぜなら「若い頃の修業が違う」からだ。これは今のスター棋士が若い頃に修行を怠った、といっているのではない。環境が違うのである。
藤井四段は将棋の研究にAIを使っているという。そしてご存知の通り、既にAIは各人に完勝するレベルに腕を上げている。すなわち、藤井四段は若いうちから神の如き先生に教えを受けているのである。プロ棋士の骨格は小、中学時代に出来上がり、それ以降は応用力で勝ち方を学ぶ。よって、若いうちに、神の如き名人(AI)の指導を受け、それを血肉にしている藤井四段に今の大人のスターたちが勝つのは極めて難しいのである。ではライバルはいないのか?ライバルとなれるのは、これからより進化するAI名人により若い時から指導を受けた子供たちの中から出てくるであろう。
それまでは藤井四段が今の大人のスターたちの壁を崩していくフェーズである。今のスターたちには「応用力」と勝負の手練手管で若きモンスターを所詮時間限定でもはね返してもらいたいところだ。
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