2017年9月15日金曜日

北朝鮮問題の解決策 2

 本日、9月15日の06:57に北朝鮮がまたしてもミサイルを発射し、北海道上空を通過させた。飛行距離は3,700kmと報じられグアムを射程に入れたものと言われている。これは先日の国連決議への反発と対抗の意思を明確に表明している。
 私見では北朝鮮への制裁は、核ミサイルの開発を妨害する一定の効果はあるだろうが、開発を止めさせることは不可能だ。プーチン大統領が言った「北は草を食べてでも核開発を進めるだろう」というのは真理を突いている。

 前回述べたとおり、私は中国ないしロシアによる金正恩委員長の強制亡命の実行が最も得策だと考えている。金正恩体制のままで国際社会と強調する国に変わることはまず不可能である。
 日本は中、露に対して「このままでは危機は高まる一方である」「我が国の核武装論議も現実味を帯びる」と説得することで、彼らの実力行使を促すという外交戦略を展開してはどうであろう。

 金正恩体制を終わらせるのに全面戦争以外の望ましいプロセスとしては、
  ①北朝鮮内部からの民主化クーデター
  ②強制亡命
  ③暗殺ないし斬首作戦
があげられる。①が最も望ましいが、これまでの経過と彼の国の人々のメンタリティーから見ると難しい。病気でいえば①は自然治癒、②は内視鏡手術、③は開腹手術と例えられようが、数字の順に危険度が上がることになる。

 しかし、今手を付けなければ手遅れになってしまう。手遅れとは数十発の核弾頭搭載のミサイルが北朝鮮各地に実戦配備され、その発射ボタンを金正恩氏が握る状態のことである。そうなればアメリカの軍事力を総動員しても手を付けられなくなるであろう。

 ところで一部に北の体制が崩壊すると中国、韓国そして日本にも難民が殺到して大変な問題になる、と危惧する意見があるが、そんな心配は全くないと私は見ている。この馬鹿々々しい恐怖政治が終われば、北朝鮮の人々はほとんどがもろ手を上げて喜ぶことであろう。現体制で迫害された人々の復讐による抗争ぐらいはあるだろうが、これは警察力で抑えられる程度のことである。

 過去にもソ連崩壊時に日本でも「5000万人難民説」が真顔で心配されていたが、実際には全くそんな事態は起こらなかった。それまで配給に頼っていた人々がソ連崩壊とともに自分で畑を作ってジャガイモを育てたのである。

 現体制の崩壊は北の人々にとって長年続いた牢獄生活からの解放であり、まともな社会を建設するスタートとなる。もし混乱や物資不足が起こればそれこそ国際社会が全力でサポートすればよい。そして、我が国にとってとても重要なのはそれによってこそ拉致被害者の帰国に大きな前進が期待できる事である。

 以前から不思議なことと思っているのだが、北朝鮮問題の議論の中に、北朝鮮の民衆の人権について言及する論者がほとんどいないのはなぜだろうか。愚かな独裁者のために2,000万人の民衆が長年犠牲者となっていることを気の毒に思わないのであろうか?
 
 日本国内での人権問題や弱者への国の対策、あるいは戦前の日本が行った内外での人権侵害についてはありもしないことまで口を極めて非難する「人権派」の人々が、どうして北朝鮮の民衆の人権が踏みにじられ続けていることを非難しないのか理解に苦しんでいる。数知れぬ民衆(拉致された我々の同胞を含む)の不幸の連続が続いていることを、他国のこととして傍観することは許されないことではないだろうか?

 やはりこのような異形の体制はここまで他国への脅威となっている以上、国際社会が協調して一行も早く排除すべきであろう。

2017年9月11日月曜日

北朝鮮問題の解決策

 北朝鮮の暴走が止まらない。先月8月29日の北海道上空を超えた弾道ミサイルの発射に続き、今月3日には水爆実験を強行、100数十メガトン級と推定される爆発が観測され、彼らが水爆を手にしたことがほぼ確実になった。

 アメリカ主導で本日11日に国連の安保理で石油禁輸を含む過去最高の制裁決議が検討されるが、これに対して今日北朝鮮外務省「米国が考えもしない強力な行動措置を連続的にとる」という表明を発表している。

 北朝鮮の過激な言辞はいつものこととはいうものの、石油禁輸の意味を考えれば現在の状況が「開戦前夜」に近づいていることは否定できない。開戦すれば日本含め大きな被害が出るからアメリカは開戦には踏み切れない、という希望的観測がある程度の勢力を持っているが、これは「平和ボケ」としか言いようがない見方である。時間が経てば危機が減少するという見通しがあればともかく、現状では時間とともに北朝鮮の核戦力は向上していくのであるから、それなら早いうちに手を打つべしというのがむしろ常識であろう。しかも、制裁を強めることは、太平洋戦争がそうであったようにむしろ暴発を誘う結果となる恐れすらあるのである。

 この問題を解決する最も効果的な方策は、金正恩委員長を北朝鮮の最高指導者の地位から外すことであろう。

 核戦力は現在、世界中に拡散し人類は何度でも滅亡できるだけの核弾頭を蓄積している。しかし、ヒロシマ、ナガサキの悲劇の実情も広く知られており、世界の指導者には核は抑止力としてのみ使う、という暗黙の合意が成立している。ところが、金正恩氏の言説を見ていると、彼は状況によっては本当に使うかもしれないと思わざるを得ず、少なくとも核を使うことを脅しの手段としては確実に使ってくると推測されよう。もし、アメリカが北朝鮮の核保有を認めれば、十分な核戦力備蓄のあと、たとえば日本には信じ難いほどの経済援助要請(身代金の請求)をしてくることはほぼ確実ではないだろうか。

 この「指導者」は既に実兄を世界の公衆の面前で毒ガスで殺害し、実の叔父を高射砲でミンチにする、という狂気を示している。粛正された幹部は数百人とも伝わっている。すなわち常軌を逸した人物で、かつ粛正が怖くて周りは誰も直言・制止できないモンスターである。

 斬首作戦という、このモンスターを取り除く作戦も準備されていると報道されているが、取り逃がした場合のリスクは瞬間に極大化する。また、捕物中にもミサイルを可能なだけ発射してくることは覚悟しなければならない。

 最もリスクの少ない排除法は、斬首ではなくある日突然両脇から彼を取り押さえて、中国なりロシアに亡命させることである。これには中国かロシアがその気になり、北朝鮮内部と連絡を取りながら静かにXデーを迎えて断固として行えば可能であろう。両国はそうした「戦力」は豊富に保持している。

 現状ではモンスターの扱いに中・ロも困ってきており、場合によっては自分たちにミサイルが向かってくることまで想定せざるを得ない状況である。乗れない話ではあるまい。
 
 日本はこの際、中国、ロシアにそうした処方を取ることを要請するべきであろう。「もし、このままの危機が続くようなら、わが国も自国防衛のため、自前の核戦力保持を検討することを余儀なくされる。」と伝えることも忘れないでおこう。