本日、9月15日の06:57に北朝鮮がまたしてもミサイルを発射し、北海道上空を通過させた。飛行距離は3,700kmと報じられグアムを射程に入れたものと言われている。これは先日の国連決議への反発と対抗の意思を明確に表明している。
私見では北朝鮮への制裁は、核ミサイルの開発を妨害する一定の効果はあるだろうが、開発を止めさせることは不可能だ。プーチン大統領が言った「北は草を食べてでも核開発を進めるだろう」というのは真理を突いている。
前回述べたとおり、私は中国ないしロシアによる金正恩委員長の強制亡命の実行が最も得策だと考えている。金正恩体制のままで国際社会と強調する国に変わることはまず不可能である。
日本は中、露に対して「このままでは危機は高まる一方である」「我が国の核武装論議も現実味を帯びる」と説得することで、彼らの実力行使を促すという外交戦略を展開してはどうであろう。
金正恩体制を終わらせるのに全面戦争以外の望ましいプロセスとしては、
①北朝鮮内部からの民主化クーデター
②強制亡命
③暗殺ないし斬首作戦
があげられる。①が最も望ましいが、これまでの経過と彼の国の人々のメンタリティーから見ると難しい。病気でいえば①は自然治癒、②は内視鏡手術、③は開腹手術と例えられようが、数字の順に危険度が上がることになる。
しかし、今手を付けなければ手遅れになってしまう。手遅れとは数十発の核弾頭搭載のミサイルが北朝鮮各地に実戦配備され、その発射ボタンを金正恩氏が握る状態のことである。そうなればアメリカの軍事力を総動員しても手を付けられなくなるであろう。
ところで一部に北の体制が崩壊すると中国、韓国そして日本にも難民が殺到して大変な問題になる、と危惧する意見があるが、そんな心配は全くないと私は見ている。この馬鹿々々しい恐怖政治が終われば、北朝鮮の人々はほとんどがもろ手を上げて喜ぶことであろう。現体制で迫害された人々の復讐による抗争ぐらいはあるだろうが、これは警察力で抑えられる程度のことである。
過去にもソ連崩壊時に日本でも「5000万人難民説」が真顔で心配されていたが、実際には全くそんな事態は起こらなかった。それまで配給に頼っていた人々がソ連崩壊とともに自分で畑を作ってジャガイモを育てたのである。
現体制の崩壊は北の人々にとって長年続いた牢獄生活からの解放であり、まともな社会を建設するスタートとなる。もし混乱や物資不足が起こればそれこそ国際社会が全力でサポートすればよい。そして、我が国にとってとても重要なのはそれによってこそ拉致被害者の帰国に大きな前進が期待できる事である。
以前から不思議なことと思っているのだが、北朝鮮問題の議論の中に、北朝鮮の民衆の人権について言及する論者がほとんどいないのはなぜだろうか。愚かな独裁者のために2,000万人の民衆が長年犠牲者となっていることを気の毒に思わないのであろうか?
日本国内での人権問題や弱者への国の対策、あるいは戦前の日本が行った内外での人権侵害についてはありもしないことまで口を極めて非難する「人権派」の人々が、どうして北朝鮮の民衆の人権が踏みにじられ続けていることを非難しないのか理解に苦しんでいる。数知れぬ民衆(拉致された我々の同胞を含む)の不幸の連続が続いていることを、他国のこととして傍観することは許されないことではないだろうか?
やはりこのような異形の体制はここまで他国への脅威となっている以上、国際社会が協調して一行も早く排除すべきであろう。
0 件のコメント:
コメントを投稿