北朝鮮の暴走が止まらない。先月8月29日の北海道上空を超えた弾道ミサイルの発射に続き、今月3日には水爆実験を強行、100数十メガトン級と推定される爆発が観測され、彼らが水爆を手にしたことがほぼ確実になった。
アメリカ主導で本日11日に国連の安保理で石油禁輸を含む過去最高の制裁決議が検討されるが、これに対して今日北朝鮮外務省「米国が考えもしない強力な行動措置を連続的にとる」という表明を発表している。
北朝鮮の過激な言辞はいつものこととはいうものの、石油禁輸の意味を考えれば現在の状況が「開戦前夜」に近づいていることは否定できない。開戦すれば日本含め大きな被害が出るからアメリカは開戦には踏み切れない、という希望的観測がある程度の勢力を持っているが、これは「平和ボケ」としか言いようがない見方である。時間が経てば危機が減少するという見通しがあればともかく、現状では時間とともに北朝鮮の核戦力は向上していくのであるから、それなら早いうちに手を打つべしというのがむしろ常識であろう。しかも、制裁を強めることは、太平洋戦争がそうであったようにむしろ暴発を誘う結果となる恐れすらあるのである。
この問題を解決する最も効果的な方策は、金正恩委員長を北朝鮮の最高指導者の地位から外すことであろう。
核戦力は現在、世界中に拡散し人類は何度でも滅亡できるだけの核弾頭を蓄積している。しかし、ヒロシマ、ナガサキの悲劇の実情も広く知られており、世界の指導者には核は抑止力としてのみ使う、という暗黙の合意が成立している。ところが、金正恩氏の言説を見ていると、彼は状況によっては本当に使うかもしれないと思わざるを得ず、少なくとも核を使うことを脅しの手段としては確実に使ってくると推測されよう。もし、アメリカが北朝鮮の核保有を認めれば、十分な核戦力備蓄のあと、たとえば日本には信じ難いほどの経済援助要請(身代金の請求)をしてくることはほぼ確実ではないだろうか。
この「指導者」は既に実兄を世界の公衆の面前で毒ガスで殺害し、実の叔父を高射砲でミンチにする、という狂気を示している。粛正された幹部は数百人とも伝わっている。すなわち常軌を逸した人物で、かつ粛正が怖くて周りは誰も直言・制止できないモンスターである。
斬首作戦という、このモンスターを取り除く作戦も準備されていると報道されているが、取り逃がした場合のリスクは瞬間に極大化する。また、捕物中にもミサイルを可能なだけ発射してくることは覚悟しなければならない。
最もリスクの少ない排除法は、斬首ではなくある日突然両脇から彼を取り押さえて、中国なりロシアに亡命させることである。これには中国かロシアがその気になり、北朝鮮内部と連絡を取りながら静かにXデーを迎えて断固として行えば可能であろう。両国はそうした「戦力」は豊富に保持している。
現状ではモンスターの扱いに中・ロも困ってきており、場合によっては自分たちにミサイルが向かってくることまで想定せざるを得ない状況である。乗れない話ではあるまい。
日本はこの際、中国、ロシアにそうした処方を取ることを要請するべきであろう。「もし、このままの危機が続くようなら、わが国も自国防衛のため、自前の核戦力保持を検討することを余儀なくされる。」と伝えることも忘れないでおこう。
0 件のコメント:
コメントを投稿