2016年10月20日木曜日

神武天皇 6

 ところで神武天皇は本当に実在したのか?

 参議院選のあとの特番で、池上彰氏は「神武天皇は教科書でも架空の人物とされている」と断言している。8月の朝まで生テレビでは田原総一朗氏が「あんなものデッチ上げだ」と大声で存在を否定した。こういうマスコミ界の大物が断定するのだからそれが正しいんだろうと視聴者が考えるのも無理はない。

 しかし、このお2人、特に古代史について自分で考えたり調べたりしたわけではない。池上氏は非常に幅広いジャンルについて、教科書的な内容をわかりやすく解説することの達人である。
 しかし、真実の扉を開く、というような切り込みは、これまでやったことがない。彼のいう「教科書でも架空の人物とされている」というのは事実ではなく「教科書には神武天皇は載っていない」というのが正確である。

 田原氏は様々な分野に鋭く切り込んできた経歴を持っているが、軍国少年から価値観の逆転を経験した反動ででき上った歴史観をそのまま引ずっている。

 要するに、彼らの頭の中にあるのは、戦後の「皇国史観否定」の論壇ででき上った神武否定論であり、前世紀の遺物、というべき内容なのである。
 確かに、「紀元前660年に即位した」といわれれば、「嘘だろう」と論壇するのも道理があろう。しかし、これは春秋2倍暦によって紀元前37年の即位に修正するだけで、現実味を帯びた話となる。

 後に残るのは左傾学者が並べ立てた「難クセ」の山だけである。こんなところに真実があるはずがないのである。



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