日本書紀という書物がある。
名前は多くの人が知っているだろうが、実際読んだことがある人は極めて少数だろう。日本全体では100人にひとりも読んでいないと思われ、1,000人にひとりぐらいではないかと想像している。内容が近い書物の古事記は結構人気があり、翻訳本、解説含め多くの出版や、古事記をもとにした演劇なども作られている。
日本書紀と古事記の大きな違いは、日本書紀が日本の「正史」であり、奈良時代初期の日本の国を挙げて編集された書物であるのに対して、古事記は稗田阿礼が話したことを太安万侶が記述したという、2人で作った書物であることだ。
古事記は詩(うた)である、とも言われ、文学性が高く歌が多く掲載されている、民族の叙事詩である。
これに対して日本書紀はどうも人気がない。それだけではなく、ある方面からは「ねつ造された歴史書」「勝者(天皇家)の歴史」「中国史書に劣る荒唐無稽な伝承」といった罵詈雑言があびせられるかわいそうな存在である。
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