このブログの内容とは方向が違うが、昨日生まれて初めて「裁判」というものを傍聴した。こうした経験がない人も多いだろうから様子など説明しておこう。
傍聴したのは、田母神俊雄さんが被告となっている、平成26年の都知事選での公職選挙法違反事件である。
田母神さんは航空幕僚長という航空自衛隊のトップだった人である。戦前の日本について全否定することに異をとなえる論文をAPA懸賞に応募して最優秀となったことが問題となり、職を更迭されたが、そのことで却って「時の人」となり盛んな講演、マスコミ出演、出版で相当な有名人となった。その勢いをかって前々回の都知事選に出馬、当選はならなかったが、60万票という大きな票を獲得している。
ところが、この時の選挙で集まった政治資金(1億数千万円)のスタッフによる使いこみが発覚し、その調査の過程で、運動員に公職選挙法に違反して報酬を配ったということで今春起訴されている。ご本人は4月に逮捕されたまま、9月末まで何と半年に渡って東京拘置所で身柄を拘束され、ようやく先週仮釈放となったのである。
私は、今、古代史を正す、ということを目標にしているが、これは「日本史を正す」ことの一環であり、田母神さんのこれまでの活動についてはそれなりの共感を持ってながめていた。それだけに今回の「事件」についてはその推移と背景について興味を持ち続けている。昨日は、これまで裁判というものを見たことがない、ということもあり一度実際に見てみようということで出掛けた次第。
さて、裁判であるが、今回は第5回公判とのことだ。事前に10月5日午前10:00開廷で整理券は9:30に来ている人での抽選と聞いていたので9:15ごろに霞が関の東京地裁へ出向いた。
地裁の入口で聞くと「傍聴の人はあっち」といって入口向かって左を指さされた。そこに整理ワクで区切ったスペースがあり番号の入った抽選券を受取る。13番だった。「意外に少ないんだな」と思いながら待ちスペースで時間まで待つ。係員に聞くと今日の傍聴席は28席あるという。その時点ではまだ定員以下だったが、ポツリポツリと人が来る。来た順ではないので慣れている人はギリギリに来るのだろう。
結局、最後にバタバタと人が増え40人近くになった。抽選である。9:30に締切ってガイドテープでスペースを閉じ、「パソコンで抽選します」と伝えられる。少し時間を置いて、プリントアウトした表が前のホワイトボードに張り出された。13番は入っていて当選である。その場で外れた人は券を回収され、当選者は10時までに4階の法廷に行くように指示された。
しかし、裁判とは大変なことだ。この抽選に約10人近い係員が関わっている。もっと大規模な列が出来る公判も時々報道されるが、手続きを管理するにも大きなコストがかかるだろう。
そのまま本館入口へ行き入ろうとするとまず手荷物検査がありバッグのX線検査を通過する。4Fまでエレベータで上ると法廷前のスペースで再度検査である。「手荷物は携帯電話含めお預け下さい。筆記用具とメモは持込んで結構ですが、録音、写真等はできる機械は持込めません」ということで、手荷物を預けたあと金属探知機で体の前後をチェックされ、音が鳴れば触診する。私は腕時計が反応し、シャツをまくって時計を示した。
検査が終ったところで開廷15分前ぐらいだっただろう。列に並んで開廷を待つ。しかし、10月というのに随分暑かった。10月に入ったらエアコンはつけないのか、設定が高いのか、待つ間も汗ばむ感じだ。10時3分前ぐらいに扉が開き、ようやく法廷に入った。
(以下は明日に)
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